技能実習制度 特定技能

技能実習生の前職要件

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そもそも前職要件とは?

団体監理型技能実習に係るものである場合にあっては、本邦において従事しようとする業務うと同種の業務に外国において従事した経験を有すること又は団体監理型技能実習に従事することを必要とする特別な事情があること。【技能実習施行規則第10条第2項第3号ホ】

  簡単に言えば、「特別な事情」がない限りは母国で就いていた職業についての実習を受けなければならないということです。

 技能実習は技術・技能を海外に移転する事業です。実習により身に着けた技術・技能が活かされる機会がなければ意味がありません。帰国後は前職と同じ仕事に就くことが多いと考えられるので、前職要件を課すことは実習で身に着けた技術・技能を活かす可能性を高めることになるのです。

例外も認められる

 ところが、実習生の出身地と日本では産業構造が異なります。前職要件を厳格に適用しようとすると技能実習が成り立ちません。そこで、

  • 教育機関において同種の業務に関連する教育課程を修了している(修了見込みを含む)場合
  • 技能実習生が技能実習を行う必要性を具体的に説明でき、かつ、技能実習を行うために必要な最低限の訓練を受けている場合

 には、「特別な事情」ありとして技能実習計画が認可されます。

「教育課程を修了している」といっても、その期間の目安は6か月以上又は320時間以上ですから、それほど専門的な高いハードルが課されているわけではありません。その職業に就こうとして訓練を受ける努力さえしていればクリアできます。

本人が気づかないうちに経歴が詐称されている場合も

 ハードルがそれほど高くないとはいえ、例外は例外ですから合理的な説明が必要です。実習先に合うような仕事をしていたとウソの書類を作ることと、前職と実習先の職種は異なるけれどもかくかくしかじかの事情があるのでどうしても実習を受けたいのです、と説明するのとでは後者の方が明らかに手間がかかります。送り出し機関がいい加減だと、その手間を惜しんで経歴を詐称した書類を作成することが珍しくありません。しかも、その経歴詐称について本人が関知していないこともあるのです。

特定技能に移行する際に大問題になる可能性が

 問題は、そのような経歴詐称をした(正確には勝手にされた)実習生が技能実習修了後に特定技能に移行しようとする場合に支障が出る可能性が高いということです。

 入管は外国人が提出した書類を保管しています。入国審査の時に提出した書類と在留期間更新の時に提出した書類に齟齬がないかをチェックすることがあります。

 入管が最も忌み嫌うのは「ウソ」です。ウソがばれるとそれだけで申請が不許可になることはよくあります。時期が違うとはいえ同じ事項に関する書類の内容が異なると「信用できない人物」と評価されてしまうのです。

 技能実習を開始するときに提出したいい加減な送り出し機関が作成したウソの経歴書と特定技能に移行するために本人が正直に作成・提出した経歴書を比較され不許可になってしまうと厄介です。

 どのような経歴書が技能実習を始めるときに提出されているか可能であれば確認しておいた方がよいでしょう。

 行政機関の保有する個人情報の開示制度を使って開示請求をしてもおそらく不開示となるのではないでしょう(まだ試したことはありません。)。監理団体が提出書類のコピーを保管しているかもしれませんので問い合わせてみるといいでしょう。

 

 

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