入管法

在留カードの諸々

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在留カード携行義務

中長期在留者は、法務大臣が交付し、又は市町村の長が返還する在留カードを受領し、常にこれを携帯していなければならない。

(入管法第23条第2項)

 これに違反しますと20万円以下の罰金が科せられるかもしれません。入管職員等の在留カード提示要求を拒んだ場合はさらに重く、1年以下の懲役または20万円以下の罰金となります。

 日本に長く在留する外国人にとって、在留カードがとても大切なものなのです。

在留カード導入経緯

 在留カードは平成21年に導入された比較的新しい制度です。それまでは外国人には住民票もありませんでした。

 在留期間更新許可を申請するときなどに、どこに住んでいて、どこに勤めているのかなど状況を入管に申告するのですが、逆に言えば、在留が許可されている期間中、在留期間が3年間なら3年間、入管としては外国人の生活状況を把握するすべがなかったのです。

 外国人登録制度というものはありましたが、正確な申請がなされる保証もなく、市町村長などの職権で修正することもできなかったため、実態と乖離した登録も散見されたといいます。

 また、外国人について住民票がないということは、世帯単位での家族構成が住民基本台帳を見ただけでは分からないということです。国際結婚により日本人と外国人が同居する世帯も増加したにもかかわらず、住民に対する行政サービスを提供する上で不都合が出てきました。

 そこで、入管法と住民基本台帳法を改正し、外国人であっても中長期在留者については日本人に近い居住関係の把握をすることとしたのです。問題の多かった外国人登録制度は廃止されることになりましたので外国人登録証明書に代わって現在の在留カードが発行されることになったのです。

中長期在留者に課せられているその他の義務

住居地の変更届

 中長期在留者は、住居地を変更したときは、新住居地に移転した日から14日以内に、新住居地を届け出なければなりません。

 この届出は法務大臣に対するものですが、手続は市町村長を経由してしますので、入管ではなく市役所等でできます。

紛失等の場合の再交付

 在留カードをなくしてしまったときは、なくなっていることに気づいた日から14日以内に在留カードの再交付を申請しなければなりません。

在留カードの有効期間の更新

 在留カードの有効期間は通常在留期間と一致しています。しかし、16歳未満の子供や永住者については在留期間と一致しません。そこで在留カードの有効期間満了の更新が必要になる場合があります。

所属機関等に関する届出

 転職・転校で所属機関(勤め先などのことです)の変更があった場合は、変更の日から14日以内に届出をしなければなりません。

 在留資格自体が所属機関と紐づけられている場合(高度専門職や特定技能)は、単なる届出ではすまず、在留資格の変更許可を申請しなければならないので注意が必要です。

 

 

 

 

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