特定技能

どうなる特定技能?(導入5か月目の現状)

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 2019年4月に特定技能が新設されて5か月が経過しました。現状を確認し、今後の見通しを立ててみたいと思います。

登録支援機関の数はもう十分

 8月末時点で1968件の登録支援機関が登録されています。技能実習の一般監理団体(3号技能実習まで取り扱える監理団体)が1260団体ですから、特定技能外国人受け入れ体制は整いつつあるように見えます。

 ただし、登録支援機関は個人でも登録できますから、取り扱える事務量が技能実習の監理団体に比肩しうるところまできているかどうかは不明です。

特定技能外国人の受入れは低調

 2019年9月9日に佐々木出入国在留管理庁長官が記者会見を行い明らかにしたところによると、特定技能の許可件数は8月末時点で205件とのことです。内訳は在留資格認定証明書交付(海外にいる外国人に対する許可)が119件、在留資格変更許可(留学などすでに他の在留資格で日本に滞在している外国人に対する許可)が86件となっています。

https://www.j-cast.com/2019/09/09367116.html

 先月は96件でしたから、この1か月で許可されたのは109件ということになります。人手不足解消のため、向こう5年間で最大34万人の外国人を受け入れることを目的とした特定技能制度の実際上の運用はいまのところ低調です。

 申請件数は1000件を超えているという情報もあるので、審査が進めば受入れも多少はペースアップするものと思われます。

二国間協力覚書締結進まず

 特定技能外国人の円滑な受入れのために、我が国と各国政府との間で二国間協力覚書が締結されます。

 二国間協力覚書には国ごとの受入れルールを規定するという機能があります。例えば、カンボジアからの受入れについては、カンボジア労働職業訓練省の認可を受けた送出し機関を通さなければならないことになっています。

 二国間協力覚書にはこのような機能がありますので、二国間協力覚書が締結されない状態では受入が停滞しがちにならざるをえません。

 この1か月の動きとしては、8月27日付でバングラデシュとの間で二国間協力覚書が締結されたことが挙げられるほか目立ったものはありませんでした。

 依然として中国とは二国間協力覚書が締結されていませんし、ベトナム政府による認可送出機関の発表はなされていません。技能実習生の二大送出し国がそのような状況にあることも特定技能外国人の受入れが進まない一因でしょう。

技能評価試験も大きな進展なし

 8月にマニラで介護職の技能評価試験と日本語評価試験が実施され、それぞれ106名と147名の方が合格されました。これ以外に大きな進展はありません。

 10月に宿泊業の技能評価試験が日本国内で行われます。この試験について、同一人物による二重申込が多数ありキャンセルとして扱うとの告知がありました。

https://caipt.or.jp/archives/2706

 本気の受験生が二重に受験申込をするということがはたしてあるのでしょうか?留学生のアルバイト先など第三者が出願しているのではないか、と想像します。

まとめ

 登録支援機関の登録件数が大幅に伸びたほか、8月は大きな動きなし、です。

 技能評価試験は10月以降徐々に海外でも実施される予定になっていますが、せいぜい数百人の合格者が出る程度でしょう。

 中国との協力覚書締結、ベトナム政府による送出し機関の認定と公表があれば中国・ベトナムにいる技能実習生OBを特定技能外国人として招聘しやすくなり、受入人数が大幅に伸びる可能性はあります。

 ただし、中国もベトナムも国内の労働市場が活況でわざわざ日本に出稼ぎに出る必要は薄れているかもしれません。

 そうすると、最も大きなインパクトを持つのはすでに日本にいる留学生の在留資格変更となるでしょう。すでに外食業で約1300人、宿泊業で280人の合格者が出ているうえに10月には定員1340人の飲食料製造業の技能評価試験が予定されています。ただ、先の二重申込の事案から伺われるように、在留資格変更を本気で考えている留学生は思いのほか少ないのかもしれません。

 在留資格認定証明交付、在留資格変更許可ともに審査に時間がかかっているようなので、見極めにはもう数ヶ月必要です。

 

 

 

 

 

 

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