雑感

日本は出稼ぎ先として魅力的なのか?

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ベトナム人労働者の派遣先

 先ごろ、ベトナム労働傷病兵社会省海外労働管理局が、2019年上半期のベトナム人海外派遣者に関する統計を発表しました。それによりますと、同期間に海外に働きに出た労働者は66,983人に上るとのことです。派遣先で最も多いのが日本で33,549人(50%)、次が台湾で27,137人(41%)、さらに韓国(5%)と続きます。 エクセルで円グラフにしたのが下記のものになります。日本・台湾が圧倒的に多いということがわかります。

 

出稼ぎ先は日本だけではないという事実

 正直に申し上げて、台湾がこれほどまで多くのベトナム人労働者受け入れているとは知りませんでした。人口が日本の五分の一もないのにベトナム人労働者の数はほぼ互角です。外国人労働者の密度という意味では日本以上になるのでしょう。

 考えてみますと、台湾の一人当たりGDPは50,452ドルで38,428ドル(金額はいずれも2017年のもの)の日本を上回っていますから外国人労働者の賃金も高いものと推測されます。外国人も出稼ぎ先を自分の判断で選択できるわけで、出稼ぎ先は日本だけではないということを忘れてはいけないですね。

出稼ぎ先を選ぶ基準

 私が出稼ぎをする必要のある国の人であったなら、と想像力を働かせて出稼ぎ先を考えてみます。選択基準は、第一に賃金の高さ、第二に治安の良さ、第三に医療の水準です。言葉は通じやすいか、食事が口に合うかとか、里帰りが容易かなども検討事項に上がってくるでしょう。私がベトナム人であれば日本を選ぶと思いますが台湾も同じくらい魅力的ですね。

選んでもらうという発想

 2019年4月、我が国の入管政策は大きく舵を切りました。新在留資格「特定技能」を設け、これまで正面から認めてこなかった単純労働者の受入れを開始することにしたのです。

 単純労働者の受入れには、日本人の職が奪われかねない、治安が悪化する、生産性向上努力に水を差す、などの理由から反対意見が根強く、特定技能の許可要件はこれらの批判を強く意識したものになっていると感じます。

 弊害を回避する努力も大事ですが、そもそも特定技能外国人の受入れを決めたのは深刻な労働力不足を補うためだったはずです。外国人に日本を出稼ぎ先として選んでもらうという発想も必要なのではないでしょうか。労働者不足に悩んでいるのは日本だけではないのです。優秀な外国人労働者の獲得競争に負けないようにするという視点が欠けているように思えてなりません。

 

 

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